サラウンド用語集
あ行
アンビエンス (ambience)
残響音や背景音などの臨場感を演出する音。ホール等のサラウンド録音にはメインマイクとは別にアンビエンスマイクを後方に設置し、反射音等を収録し拡がり感を出す。
インターレース (interlace)
動画におけるインターレース(飛び越し走査)方式は、水平走査線を1本おきに伝送・描写する仕組み。<=> プログレッシブ
インピーダンス (impedance)
電子回路における交流抵抗値。単位はΩ(オーム)。機器(映像機器、マイク、スピーカー)同士の接続には、適切なインピーダンス(マッチング)が必要となる。
エンクロージャ (enclosure)
スピーカーの箱、ボックス。キャビネット(cabinet)ともいう。エンコーダー (encoder)
信号をエンコード(符号化)や圧縮、暗号化する機器や装置、プログラム。エンコードされた信号・データを元に戻すことをデコード(decode)といい、その時に使われる機器やプログラム等はデコーダーという。
ドルビーやDTSなどの音声は、機器(プレーヤー、アンプ等)にもフォーマットに応じたデコード機能が備わっていないと100%再生はできない。
か行
カットオフ周波数 (cut off frequency)
遮断周波数とも言い、ある周波数より上もしくは下の信号を減衰させる。「ローパス(ハイカット)・フィルタ」はカットオフ周波数よりも低い周波数は通すが、高い周波数は減衰させる。
「ハイパス(ローカット)・フィルタ」はその逆。
共振 (resonance)
物などの固有振動数と外部からのエネルギーで振動周波数が一致した場合に起こる共鳴が起こる現象。クロスオーバー周波数 (cross over frequency)
2つ以上のユニットを持つマルチウェイスピーカー(システム)で、高音や低音など周波数を分割する境目の周波数を指す。ゲイン (gain)
利得とも言い、アンプ等で入力信号と出力信号の比を表す単位(dB)。コアキシャル・スピーカー (coaxial speaker)
同軸型スピーカーとも言い、2つのスピーカーを組み合わせて1つのユニットにしたスピーカー。一般的なマルチウェイスピーカーに比べ、一点(同軸)から音が出るため位相差が少ないメリットがある。
コンポーネント映像信号 (component video signal)
映像を輝度信号と色信号を別々に扱えるようにした映像信号。複合信号に比べ信号の劣化を抑えられ高画質です。
コンポーネント端子、D端子、HDMIは、コンポーネント映像信号を送ることができる。
コンポジット映像信号 (composite video signal)
輝度信号や色信号、同期信号などを複合して送る映像信号。出力側で信号を合成して、入力側で分離するので画像の劣化を招く。
日本のアナログテレビ放送のNTSC方式や、黄色いRCA端子もコンポジット信号。
さ行
サブウーファー (sub-woofer)
超低音域用スピーカーで、スーパーウーハとも言う。 「SW」と略される。一般の小型スピーカーでは再生することが難しい超低音域を補うために使われる補助的な役割を持つが、サラウンド音声の場合はLFEという超低音専用チャンネル(一般的に20Hz〜120Hz)があるので、LFEの再生にはサブウーハーを使う。
市販されている多くのサブウーハーはアンプを内蔵したアクティブスピーカーで、内蔵していないパッシブ型は少なく、対応したAVアンプも少ない。
サブソニック (subsonic)
人間の耳では聞くことができない20Hz以下の音を指す。サラウンド・スピーカー (surround speaker)
サラウンド再生で視聴者の横や後方に設置するスピーカー。指向性 (directional characteristic)
音波の伝わり方で方向により違いがあることを指す。スピーカーの向きにより音量や音質が違うのは指向性があるためで、高音域は指向性が強く、低音になればなるほど無指向性に近づく。
周波数 (frequency)
音信号が一秒間に振動する数。 単位はHz。人間は聴こえる音の周波数は、20Hz〜20kHzと言われている。
スイートスポット
スピーカー配置の真ん中辺りで、サラウンド効果を堪能できる場所。センター・スピーカー
サラウンド再生で視聴者の前方中心(LとRの間)に設置するスピーカー。映画では主にセリフなどが収録されている。
た行
定位 (localization)
正しい位置で聴いた場合、音像(音源)の方向と距離が定まる(特定できる)こと。定位感とも言い、拡がり感とは相反する。
定在波 (standing wave)
部屋やスピーカーボックスで、相対する平面(壁)が存在する場合にその距離により特定の周波数の音が共鳴する。その発生を定在波もしくは定常波とも言う。ディスクリート方式 (discrete)
記録チャンネルと出力チャンネルの数が同じとなる音声の収録方式。「Dolby DIGITAL」や「DTS」、「MPEG-2AAC」などがディスクリート方式。
<=> マトリックス方式
トールボーイ型 (tallboy speaker)
床置きで、細長く高さのある形状のスピーカーシステム。サラウンドスピーカーシステムでは多く採用される形状で、設置面積と奥行きが少なくて、高さがあるのでスピーカースタンドが不要。
ドルビー (dolby)
正式にはドルビーラボラトリーズ(Dolby Laboratories)でアメリカにある企業名。ドルビー社が開発した音声ノイズ除去技術や音声圧縮技術、サラウンドフォーマット名で「ドルビー なんちゃら」と名称が使われている。
な行
ノンリニア編集 (non linear editing)
映像の編集作業でテープからテープへコピーすることを「リニア編集」というが、素材をHDD等に一旦コピーしてコンピュータで便利に素早く編集すること。は行
バーチャル・サラウンド (virtual surround)
ステレオ音声をソフトあるいはハードにより、サラウンド音声に聴こえるようにする技術。 「仮想サラウンド」や「擬似サラウンド」とも言う。ステレオ(2ch)音声に残響や反響を加工して音場特性を再現する「DSPサラウンド」と言うものもあれば、多チャンネル音声をステレオ(2ch)スピーカーやヘッドフォンで再生するものもある。
スピーカーを特殊な接続方法にして、ステレオ音声をサラウンドにしてしまう「スピーカーマトリックス方式」もある。
バスレフ型 (bass-reflex speaker enclosure)
密閉された箱にポート(穴)をあけたスピーカーシステム。バス・レフレックスの略で、別名で位相反転型とも言う。
ポートにはダクトと言われる共鳴管が付いていて、スピーカーユニットの後方から発生する音エネルギーを利用し、ダクトで共鳴させ低音を増幅する。
パラレル接続 (parallel connection)
並列に接続すること。スピーカーをパラレル接続する場合、合成インピーダンス(抵抗)は半分になります。
接続する場合は、事前にアンプの性能(能力)を確認する必要があります。
<=> シリーズ(直列)接続
プログレッシブ (progressive)
動画におけるプログレッシブ(順次走査)方式は、水平走査線を1本おきに伝送・描写するしない仕組み。ノンインターレースともいう。<=> インターレース
ま行
マトリックス方式 (matrix)
記録チャンネルより出力チャンネルの数が多くなる音声の収録方式。「Dolby Surround」や「Dolby ProLogic2」、「Dolby DIGITAL Surround EX」、「DTS-ES」などがマトリックス方式。
<=> ディスクリート方式
密閉型スピーカー (closed speaker enclosure)
空気の漏れない密閉された箱のスピーカーシステム。またはヘッドフォン。ら行
リスニング・ポイント (listening point)
音声・音楽を聴く位置のこと。わ行
ワット (watt)
電力を表す単位で、記号は「W」。電圧(V/ボルト)×電流(A/アンペア)=電力
英数字
AAC (エー エー シー)
Advanced Audio Codingの略。MPEG(エムペグ)が規格した音声圧縮の方式。
地上・BSデジタル放送のサラウンド音声は「MPEG-2 AAC」で放送される。
Audyssey (オーディシー)
音響測定・補正の技術を研究・開発しているアメリカの企業。部屋の音響特性を最適にする「MultEQ」、音量の変化で人間の聴覚特性が変わる問題を補正する「Dynamic EQ」、音量の大小の変化を緩和する「Dynamic Volume」などの技術があり、DENON、マランツ、オンキョーの製品に採用されている。
DTS (ディー ティー エス)
Digital Theater Systemsの略で、アメリカにある企業名。音声圧縮技術を開発・企画・普及している。
ドルビーの後発だが同等のフォーマットがあり、より高音質とされている。
D端子 (ディー 端子)
映像信号を伝送する接続端子。アルファベットの「D」の形に似ていることから名づけられたが、アナログ用でデジタル信号は送れない。
規格はD1〜D5まであり、数字が大きくなればなるほど高画質になる。
映像信号はコンポーネント映像信号だが、その他に識別信号も送れる。
DSP (ディ エス ピー)
Digital Signal Processor(デジタル シグナル プロセッサー)の略。ヤマハでは、Digital Sound field Processor(デジタル サウンドフィールド プロセッサー)の略。
オーディオでは、AVアンプ等に装備されている演算処理装置。
EQ(イコライザ)や残響音をデジタル処理し、「映画館」「ライブハウス」「コンサートホール」等のバーチャルな音場効果を作り出す。
HDMI (エイチ ディ エム アイ)
High-Definition Multimedia Interfaceの略。HDMIケーブルは、1本で映像と音声をデジタルで接続することが可能。
制御信号も同時に送れるので、著作権保護や機器間の連動機能が向上している。
ITU-R
国際電気通信連合 無線通信部門(International Telecommunication Union Radiocommunications Sector)の略。ここが勧告している「BS-775-1」というサラウンドスピーカー配置の規格があります。音楽・放送業界では基準の規格ですが、映画制作はTHX規格が主流なのでどちらを主に楽しみたいかや、視聴環境により適切な方を選択することになります。
LFE
Low Frequency Effectの略。サラウンドチャンネルの0.1チャンネルに収録されている20〜120Hzの超低音域を指す。
普通のスピーカーでは再生できない低音も含まれているため、サブウーファー(低音域専用スピーカー)を繋げる。
MP3 (エム ピー スリー)
MPEG-1(2) Audio Layer-3の略。高圧縮が可能でデータ量も減らせることから、PCや携帯プレーヤーの音楽ファーマットとして普及している。
「MP3 Surround」というマルチチャンネル版も存在する。
PCM (ピー シー エム)
pulse code modulationの略。パルス符号変調。音楽はLPCM(リニアPCM)のこと。
アナログ信号を圧縮しないでデジタルデータに変換する方式。
サンプリング周波数や量子化ビット数を多く(細かく)すれば原音に近い音がデータ化できる。
音楽CD(CD-DA)は、サンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット数16bit。
DVDビデオは最大2ch、ブルーレイビデオは7.1chまで収録可能。
RCA端子 (アール シー エー 端子)
RCA社(アメリカ)が原型を開発し、「ピンプラグ」「ピン端子」ともいわれる。音声左は白、右は赤、映像は黄色のコンポジットケーブルが普及している。
SACD (スーパー オーディオ シー ディ)
Super Audio CDの略。CD(compact disk)の一種で形状は同じだが2層の記録層で高音質・大容量、最大5.1chサラウンドまで対応している。
再生にはSACD専用の再生機かユニバーサルプレーヤーが必要。
1層をCD規格で記録し、普通のCDプレーヤーでも再生可能なハイブリッド仕様のソフトも存在する。
THX (ティー エイチ エックス)
ジョージ・ルーカスが設立したルーカスフィルム(THX社・アメリカ)の部門。THX社の提唱する映画の制作・上映・視聴規格がTHX規格。
THX基準のクリアすると、映画館や機器(アンプやスピーカー)がTHX認定される。
ホームシアターのスピーカーセッティングもTHX規格が1つの基準となる。
VFX (ブイ エフ エックス)
Visual Effectsの略。視覚効果。CG(コンピュータグラフィックス)加工や合成など、撮影後に行なわれる効果の総称。
撮影時に行なわれる特殊効果は「SFX(Special Effects)」。