スピーカーセッティングを理解して実践!もっとサラウンドサウンドを楽しもう!

サラウンド星評

もっとサラウンドを楽しむ!

サラウンドサウンドの楽しみ方は環境や機材によって色々ありますが、どのようなシステムでも今まで聴いていたステレオサウンドとの違いは感じられるはずです。
さらにサラウンドを楽しむにために

システムのステップアップ

あなたはどのような機材でサラウンドを聴いていますか?

テレビやアンプ、PCソフトのバーチャルサラウンド?
フロントサラウンドシステム?
サラウンドヘッドフォン?
それともホームシアターでしょうか?

サラウンドサウンドを楽しむ醍醐味はやはりホームシアターですが、環境や予算によって万人が設置できるわけではありません。
しかし、できる限り理想に近づけた配置や調整を行なったり、システムアップをすることで確実にサラウンドサウンドも良く聞こえることに間違いはありませんので、今の状態にに満足しないで少しずつでも完成度の高いシステムに仕上げていきましょう。

セッティングを極める

ホームシアターとしてサラウンドを楽しむためには、スピーカーセッティングが欠かせません。
ホームシアターシステムを購入し、とりあえず繋げて音を出して納得・満足しているだけでは、宝の持ち腐れになってしまいます。

なぜかというと、映画や音楽の制作・編集者は国際規格に沿って音づくりしているからで、規格に沿った環境で視聴されることが前提だからです。
セッティングを極める(規格に近づける)ことで包囲感・臨場感や移動の音の自然さ、定位などがアップします。
実際のところ、映画と音楽・放送では異なる規格を基準としています。
どちらを多く楽しむかによってセッティングは違いますが、 ITU-R(国際電気通信連合 無線通信部門)が勧告している「BS-775-1」規格がホームシアターの主流といえますので、環境の許す限りこれを目標にしていきたいですね。

全てのスピーカーは視聴者から等距離に配置し、フロントスピーカー(C・L・R)は床面から1.2mもしくは耳の高さ。
サラウンドスピーカーは15゜以内であれば上げても良いとされています。
目指すのは「ダイレクトサラウンド」か「ディフューズサラウンド」か?
上記のITU-R配置は設計から考えて建築したホームシアターでなければなかなか再現できませんし、仮に理想の配置を実現できたとしても、頭をすこし動かすだけでスイートスポットから外れてしまい視聴効果が薄れてしまいます。
このITU-R配置で、スピーカーを視聴者に向けて精密な音場再現を目指すのを「ダイレクトサラウンド」と言い、SACDやDVD-Audioの音楽再生に好まれています。

ITU-R配置では家族や大人数でダイレクトサラウンドのような映画鑑賞等は楽しめません。
映画館などで広い空間(リスニングポイント)でお客様に楽しんでいただくためにはスイートスポットを広げる必要がある為に側面や背面の壁にサラウンドスピーカー多く埋め込まれたりしています。
このような音を拡散させてスイートスポットを広げたりするリスニング環境や配置を、ダイレクトサラウンドに対して「ディフューズサラウンド」といいます。
例えばホームシアターでもスピーカーを自分の方に向けないように置くとか、7.1ch配置(サラウンドスピーカーを左右2づつ)で5.1ch再生をすることでスイートスポットを広げることができますし、音の繋がりはよくなるはずです。
音を拡散させることでサラウンド感や包囲感は増し映画鑑賞には好まれますが、定位は曖昧になりがちになるので繊細なサラウンド再現には向いていません。

どちらを目指すかは、目的が「映画派」か「音楽派」、人数が「一人」か「家族・大人数」、リスニング環境が「適している」か「狭い・異形・制限がある」などで人それぞれですのでどちらが良いとは一言で言えませんが、スピーカー配置において方向性を決めてセッティングすることで目的のサラウンド再生への近道となるでしょう。
左右スピーカー(L・R)
ITU-R配置では、L・Rの開き角は60゜(Cからは30゜)となっていますが、すこし狭めても良いと思います。 開き角45゜〜60゜以内に配置したいです。
高さは可能な限り耳の高さに配置しましょう。
センタースピーカー(C)
センタースピーカーって「耳の高さで正面?どうやって!?」と思った方、鋭い!
映画を視聴する場合のセンタースピーカーの理想設置場所は、スクリーンかモニター画面が来る場所なんです。
映画館の場合はスクリーンに小さな穴が空いていて、その後にスピーカーが配置されています。サウンドスクリーンと言ってホームシアターでも使われています。
多くの人は専用ルームを持っているわけではありませんので、大型のプラズマや液晶パネルを使っていると思いますが、これらの場合は置き場所に困ります。
センターチャンネルは映画ではセリフが収録されている大事なチャンネルです。「私は字幕派だ」と言う人は画面の後方でもかまいませんが、可能であればスピーカーが目視できる位置にしたいですね。
通常は画面の上部か下部に配置しますが、厳密にセッティングすればするほどセリフが画面からずれた位置から聞こえてくるのが気になります。
そこでセンタースピーカーを二つにする裏技?です。画面の上下もしくは左右に配置することで、画面の真ん中からセリフが聞こえてくるようになります。
サラウンドスピーカー(LS・RS)
一般の家庭やリスニング環境では配置に一番厄介なスピーカーです。しかし、サラウンドを楽しむためにはなんとしてでも理想の配置に近づけたいスピーカーです。
フロントスピーカーと同距離となっていますが、これに関してはなかなか環境が許さなければAVアンプの出力調整などで補正すればよいでしょう。
高さは耳の高さか上方に15゜以内とされていますので、床置きは厳禁です。
壁に掛けるか、天井から吊るすか、スタンドに載せるかは環境に合った方法を選択します。
サブウーファー(SW/LFE)
ITU-R配置ではサブウーファー(LFE)は特に明記されていませんが、できればセンター寄りで、理想はL・Rの間に入れたいですね。
迫力のある爆発シーンや低音の入った音楽にはLFEチャンネルに多くの信号が入っています。時には部屋を揺るがすような大音量の時もありますので、サブウーハーを安定した場所にしっかり設置しないと箱鳴りや共振が起こりやすくなりますので注意が必要です。
自動音場補正+手動セッティング
最近は低価格のアンプにも自動で測定・セッティングしてくれる機能が備わっています。
自動音場補正だけで最適なセッティングが決まることはまずありませんが、右も左も分からないままスピーカーを繋げただけよりはかなりマシに調整されます。
ただ自動で決めただけのセッティングに満足するだけでは進歩しませんし、違和感を感じる場合もありますので、自動の後に自分でさらに補正することで満足する結果が得られることでしょう。

録音・撮影にチャレンジ

サラウンドサウンドは、ブルーレイやDVDで映画を。SACDやDVD-Audioで音楽を楽しむだけではありません。
自分で録音したり、動画の音声をサラウンドで収録することも可能です。

手軽に録音したいなら、ZOOMの「ハンディ レコーダー H2」や「ハンディ レコーダー H2n」がおすすめ。
動画なら、「SONY」「Canon」「Panasonic」からサラウンド録音対応のビデオカメラが発売されています。

2chステレオ録音のビデオ動画でも、最新のビデオ編集ソフトなら5.1chに変換できますので、自分で録画・録音した素材をホームシアターでサラウンドを楽しむことが出来、夢が広がります。